外資系化学メーカーサラリーマンのブログ

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供給問題とBCP

今日は外資系化学メーカー営業あるあるの一つ、供給問題とBCPについて書きます。

供給問題というと原因に関して大きく2つに分かれます、需要サイドの問題と供給サイドの問題です。

(1)需要サイドの問題

予想以上に需要が伸びた、もしくは新しい用途が急激に増えたといったように、サプライヤー側の予想を超えて需要が急激に伸びる時に供給問題はおこります。

(2)供給サイドの問題

サプライヤーが工場での生産トラブルや減量調達の問題などにより、大幅に市場に供給する玉を減らした時にも供給問題はおこります。

日系メーカーは、このような供給問題が起こった時には、契約書もないのに供給責任という言葉よく使用しますが、海外メーカーにとっては契約書な状態で供給責任は発生しないというスタンスです。なので、海外メーカーにとってこのような場合の戦略は(1)契約のある顧客の契約数量のうち、最低契約数量を販売(2)事業部の戦略に基づき利益率、将来性、シェアを勘案してアロケーションとなります。

なので大体日本の顧客は契約を嫌がりますので、影響をもろ受けます。影響を最小限にするために、普段から上司には商習慣の違い・将来性・定期的に重要顧客とのミーティング設定を実行して、サポートもらえるようにしておきましょう(といってもグローバルの動きなので、上司が一緒に社内で玉確保に動いてくれても本社のダイレクターの一言で却下されることもあります)。


BCP 

原料が手に入らないと顧客はプラントを止めることになりますので、複数購買を必須にしているところがありますが、極端な例2つで供給問題の時に何が起こるか考えてみます。

1) ある製品Aに関して、サプライヤー世界5社(a,b,c,d,e 社)、各メーカー生産数量40、世界需要100  

→供給過多なので、別にa社が生産トラブルなったところで、顧客は別のサプライヤーに供給頼めば問題ないでしょう。

2) ある製品A、サプライヤー2社(a,b社)、各メーカー生産量50、世界需要80 

→a社が止まった場合、b社100%購入していない限り、全ての顧客がb社に殺到します。でもb社には潤沢な玉はありません。なのでおそらくb社は、供給契約ある顧客、シェア100%の顧客をまず優先し、残った玉を割り振るとなるでしょう。もし日本のお客が契約なしでそれぞれから50%ずつ購入していた場合、b社から以前同様に50%数量確保できれば御の字でしょう(一般的には難しく、以前の半分の数量しか確保出来ないケースもあります。なぜなら契約ある顧客が優先ですし、このお客がオーダーを積みましてきます)。もし潤沢に確保できなければ、稼働率大幅に低下してしまい、大きな損失につながるので、複数購買だけではなく、きっちり供給契約結ぶことは、多少原料費が上昇しても大きなメリットとなります。


といっても通常生産トラブルは長くても半年くらいなので、それぞれバリューチェーンの在庫でうまく凌げるケースが多いのですが、昨今コロナの影響で、自動車なども工場ライン止めていますね。